こんにちは。
エー・アール・シー 花火師の西塚です。
品川区民まつり「八潮まつり」で、花火師2年目を迎えました。
今年の八潮まつりの花火は注目度が違いました。前日、テレビ東京の「アド街ック天国」で花火の宣伝をしてくれたこともあり、例年の倍くらいお客さんで溢れていました。私も一瞬映りました。
花火の天敵は、雨と風です。7月の異常気象により、当日の朝は雨と風が少し。開始ギリギリまで、空と睨めっこです。八潮まつりの花火は4寸玉(4号)を10発と3寸玉を50発打ち上げます。4寸玉は墨田川の花火と同じくらいの大きさです。昨年のデビュー戦では3寸玉を10発くらい担当しました。
今年は花火師のボスから、「4寸やってみな。」と恐怖の指示が。八潮まつりの花火は、ガスバーナーで導火線に直付けです。一発打ち上げた後、同じ筒に次の玉を詰め替えます。講習会で絶対にやらないように!と注意されている行為です。筒内で爆発すると、運が良くて手首がなくなるレベルです。心から中止を願い空を見上げていましたが、打ち上げ時刻の30分前に雨、風が止んでしまう始末です。消防署からもOKが出てしまいました。
雨男って言われていたのに大事な時に威力を発揮できません。
いよいよ、開始のアナウンスが流れ、ボスが4寸玉に点火。至近距離での爆音。恐れをなす自分。会場の拍手と歓声。諦め半分、後ろ向きな気持ちで遂に4寸玉の前へ。
60発の花火は、連続で打ってしまうと10分掛からず終わってしまいます。そのため、ボスはゆっくり着火するよう指示します。(一つ打ち上がったら、ひと呼吸置いて次を着火する)
私は4寸玉の恐怖に、連続着火。「早いよ!」耳栓をしていてもボスの怒鳴り声はしっかり聞こえます。PS部に借りた新品の作業着に火の粉が降り注ぎます。見ているお客さんのことを考える余裕はなく、何とかエンディングの「ナイアガラ」。終わりが見えてお客さんの歓声と拍手がやっと耳に入ってきます。会場アナウンスで、花火師を紹介して頂き、何とも言えない感動と達成感を味わいます。
ちなみに、品川区での花火大会は2つあり、超至近距離型直付け花火の「八潮まつり」と京浜運河で行われる3,000発の都市型花火「秋の運河花火まつり」があります。橋にナイアガラを設置する荒業も見どころの一つです。
テレビでも紹介頂いたので、もう辞めるわけには行きません。
来年も、全力で打ち上げますので、是非、至近距離の花火を見に来てください。